株式会社ヤマコン
湯本 亜久里氏

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充実したサポートさえあれば
彼らは能力をフルに発揮できる

2024.02.01

#VOL.04 #受入事例 ベトナム山形県

株式会社ヤマコン 管理部係長
湯本 亜久里

湯本さんは、特定技能外国人や技能実習生たちの面接から入国手続き、生活指導や相談窓口など、外国人就労者に関する業務全般を担当しています。常に寄り添う立場としての考えや思いを伺いました。

価値観が固まった職場に新しい風を吹き込んでくれる存在

湯本さんが感じるベトナム人の印象は?

 もちろん人によって差はありますが、個人的にはとても優秀な方が多いという印象です。基本的に努力家で、勤勉ですし、何よりハングリー精神がとてもあります。違う国に来て仕事をがんばっているというだけでもすごい人たちなので、見習う点がたくさんあります。

受入れによって職場に変化はありましたか?

 職場というところは、いつも同じ人間が集団で仕事をしているので、どうしても価値観が固まってしまいがちです。変化を嫌い、時には排他的な雰囲気を出してしまうことだってあります。そんななかに違う文化、違う言語を持つ方々が入るわけですから、多様性が生まれるというメリットは大きいです。新しい風を吹き込んでくれるのは本当にありがたいですね。

採用時に注目しているところは?

 日本で働きたいという気持ちや、仕事への熱意がどれほどあるのか、面接時に確かめるようにしています。あとは、日本語学習への意欲です。私の経験上、日本語が上手な人は仕事の成長も早い。いろんな人とコミュニケーションが取れるので、さまざまな場面で知識や技術を吸収できるのだと思います。面接の時点で勉強を始めている人が理想的です。

まずは同じ国の先輩に通訳などのフォローをしてもらう

育成面ではどんな工夫をしていますか?

 基本はOJTになります。体制としては、入社したばかりの人は2人で行く現場に3人目として入ってもらうようにしています。また、必ずベトナム人の先輩についてもらい、コミュニケーションのフォローをしてもらう。そうした期間を1カ月ほど設けて、慣れ始めたら日本人とだけで現場に行ってもらいます。

そのほかに気をつけていることは?

 給与についての説明はしっかり伝えています。ベトナム人は金額を共有する習慣があるようで、例えば先輩と後輩がいるとして、後輩のほうが先輩より給料が高いと、その理由が明確でなければ先輩はやる気をなくしてしまいます。単純に評価によるものと伝えるのではなく、できていること、いないことを示して納得してもらうことが大事です。

頼れる人が少ないからこそできるだけ支えたい

コミュニケーションで工夫していることは?

 ベトナムの文化や歴史を理解したうえで接しています。特に習慣の違いは把握していないと、さまざまな場面で驚かされることがあります。以前、夏に一緒にプールへ行ったのですが、海パンを履かず、下着で入ろうとしました。とがめると「大丈夫、下着でいける」と自信満々に笑っていましたからね。

彼らに期待していることはありますか?

 非常に勤勉な方が多いので、サポートが行き届けば、将来的に企業にとって大きな戦力になると思います。反対にサポートが足りないと、途中で挫折してしまう人が増える恐れもあります。彼らは何かあったときに頼れる人が周りにいません。持ち合わせている能力をフルに発揮できるように、できるだけ支えたいと思っています。

(2023年5月24日取材)

掲載号

Visionista/VOL.042024|winter

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