株式会社関電工は、2024年からフィリピン人特定技能外国人の受入れを開始し、茨城県牛久市の「人材育成センター」にて同社初となる外国人向け研修を実施しています。同センターでは、日本語や文化の習得に加え、ビジネスマナーや専門技術を指導。日本人と同じカリキュラムで教育を行い、国籍を超えた協働を目指しています。
INTERVIEW
センター所長紹介
人材育成センター所長
工藤 朋之 氏
新入社員全員が研修を受ける
教育施設
関電工では、新入社員全員が茨城県牛久市の「人材育成センター」で研修を受けています。事務職から技能職まで、300人以上の新入社員が一堂に会し、2週間にわたるビジネスマナーや社会人基礎教育を通じて、関電工の全体像を学ぶのが特徴です。その後、職種ごとに専門教育へ進み、一部の社員は半年間、当センターで専門技能を学びます。関電工では、現場実務を経た後にフォローアップ研修を実施するなど、継続的な育成体制を整えています。新人の特定技能外国人についても、日本人と同じカリキュラムを受ける仕組みを導入し、平等な教育機会を提供しています。
文化の違いへの配慮と工夫
外国人に対する研修を円滑に進めるため、文化や習慣の違いへの配慮は徹底しています。特に食事や宗教、生活習慣に関しては事前に職員にも研修を行い、受入れ体制を整えました。また、センター内の表示はアイコンや英語を活用し、大浴場にはドライヤーの置き方を写真で示すなど、細部にまで工夫を凝らしています。こうした取組みによって、特定技能外国人が快適に生活し、日本の文化にスムーズに適応できる環境を実現しています。
次世代の担い手を育てる
現段階で目指しているのは、特定技能外国人が日本文化や常識を深く理解し、将来的には教える側へと成長することです。現在受け入れている1期生が、次期外国人社員を指導できる存在となることが理想的ですね。また、特定技能1号から2号へとステップアップし、長期的に日本で活躍できるよう、資格取得やスキルアップにも力を注いでいます。このセンターでの経験を活かして、彼らが持っている実力を発揮し活躍していくことを願っています。
INTERVIEW
講師紹介
研修チームリーダー
屋敷 成範 氏
オンライン講習で
研修前の不安を解消
特定技能外国人が来日する前に、3日間のオンライン講習を実施しました。講師がセンターの設備や生活環境を写真や動画で紹介し、滞在する部屋などを詳しく説明することで、センターでの生活への不安を取り除く工夫を行いました。
性格はシャイでも
研修外では驚くほど社交的
研修中は控えめな様子の彼らですが、プライベートでは非常に社交的です。食事に誘ってくれたこともありますし、ある時は私の子どもとLINEで通話して、英語で会話を楽しんでいました。積極的な一面もあって、彼らなら日本でもうまくやっていけるはずです。
INTERVIEW
講師紹介
内線作業長
原山 慎一 氏
ゲーム性を取り入れた
実践的カリキュラムが好評
配管訓練では、技能大会を模擬した競技形式のカリキュラムを取り入れています。作業時間を計測し、効率的に作業を終える方法を工夫するこの形式は、特定技能外国人にも非常に好評です。ゲーム性があることで自然と集中力が高まり、楽しみながら技能を習得できる点が特徴です。
日誌で育む双方向の
コミュニケーション
日誌は講師と特定技能外国人との重要なコミュニケーションツールとなっています。彼らはまだ日本語がうまく書けないのですが、代わりにその日使った道具や学んだ配線などの絵を描いてくれるんです。どの特定技能外国人も絵が上手でいつも感心させられます。疑問や質問もがんばって書いてくれるので、私たち講師陣も丁寧に返事を書くようにしています。
Trainee's VOICE
特定技能外国人の声
ポールさん
(フィリピン)
日本の文化で驚いたことはありますか?
フィリピンでは電車のなかでも賑やかですが、日本では静かで、みんながルールをしっかり守るのがすごいと思いました。日本人は赤信号を絶対に渡らないけど、フィリピン人は守らない人も多い。日本は本当にいい国ですね。
将来の目標を教えてください
まずは電気工事士の試験に合格することが目標で、スキルを磨いて関電工で管理職になりたいと思っています。子どもの頃から日本文化に興味があって、YouTubeで見たおにぎりやラーメンを作ったこともあります。日本に住むのが夢だったので、かなってとてもうれしいです。
ジェイビーさん
(フィリピン)
センターでの生活はいかがですか?
お風呂にほかの人と一緒に入る習慣がなかったので最初は恥ずかしかったです。でも、センターの中は便利で、やさしい人たちが多く、とても快適でした。プライベートの時間は、体育館でバスケットボールをしたり、公園を散歩したりして楽しんでいました。
カリキュラムのなかで難しかったことは?
日本語の聞き取りやコミュニケーションが一番難しかったです。でも、先生や周りの人が簡単な日本語で話してくれたおかげで楽しく学べました。質問があればすぐに答えてくれる環境があったので、安心して取り組むことができました。
FACILITY
施設紹介
施設内は英語表記を増やし、簡単な漢字を使用して、外国人にもやさしい環境を整えています。
実技室
実際の現場を想定して、図面をもとに実践的な訓練を行っている。
食堂
研修受講者たちは朝・昼・晩の三度の食事をこの食堂でとっている。
宿泊室
全室カードキー対応。個室で快適なプライベート空間を確保。
2024年9月 取材
