株式会社菅原設備
菅原 直樹氏

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長期滞在ができる今、
ともに高め合える環境づくりが必要

2022.09.01

#VOL.01 #受入事例 中国ベトナムミャンマー愛知県
株式会社菅原設備 菅原 直樹 氏

代表取締役社長
菅原 直樹

2000年に社員3名で会社を立ち上げて以降、積極的に外国人を受け入れてきた株式会社菅原設備。受入れを始めた頃の課題や、今後の展開についてなど、菅原さんに詳しくお話を伺いました。

意思の疎通が取れれば自然と距離は縮まっていく

受入れを始めた当時、現場の反応はいかがでしたか?

 受入れを開始した当初は、外国人に対して日本人社員の理解が不足しており、日本人と外国人の間で、対立や揉め事が起きたことはありました。文化や生活習慣の違いが主な理由ですが、私はお互いに言葉が通じないことが一番の原因だったと思っています。

どのように解決したのでしょうか?

 最初に受け入れた外国人たちが日本での生活に慣れ、徐々に日本語を覚えていくと、日本人社員ともう一歩踏み込んだコミュニケーションが取れるようになります。すると、日本人社員も外国人たちの人となりが見えてきて、本腰を入れて面倒を見ようという気持ちが湧いてきたのだと思います。そうなると今度は、外国人たちも仕事を教えてくれる先輩として日本人を敬うようになり、双方の距離が縮まっていきました。

差別や不当な扱いを避けるため自社で日本語教室を開催

社外の人たちの外国人に対する反応はどうでしたか?

 技能実習生が使うつたない日本語は、普段から聞き慣れている私たち社内の人間とは違い、初めて接する人たちにとっては聞き取りづらいという問題がありました。現場で言葉が通じないと、どんなに技術がしっかりしていても、差別的な扱いを受けることも実際にありました。今では外国人を雇用する企業も増え、少しは彼らに対する理解も広まりましたが、業界として差別のないよう意識改革を進めることも必要だと感じています。

彼らを守るためにどのような対応をしましたか?

 主に社内外でトラブルの元になるのは日本語力の低さでした。そこで、会社全体で日本語力を上げようと、日本語教室を展開する企業を子会社化して、当社の全外国人社員に授業を受けてもらっています。また、受入れが決定した来日前の人たちにもオンラインで参加してもらい、日本に来た時にはある程度の日本語を話せるような体制を取っています。

日本と母国、どちらでもライフプランを選べる会社にしたい

仕事面での育成についてお聞かせください

 受入れをスタートした時は社員3名と小規模で、制度も技能実習1号、2号までしかなく、特定技能外国人制度もありませんでした。なので、ひとまず基礎的な作業さえできればいい、といった感覚で教えていましたが、特定技能外国人制度ができ、彼らも日本で長期的に働ける環境になってきています。こうなると、オールマイティに仕事ができるように、教育についても変化させていく必要があります。基礎的技術だけでなく、図面を描いたり、現場で打合せしたりと、日本人と変わらずステップを踏んで成長していくことができる体制づくりを進めているところです。

今後の展開について教えてください

 彼らにはずっと日本で働いてほしいのですが、事情によりどうしても帰国しなければならないこともあります。そんな彼らに、母国に帰っても私たちと一緒に働ける環境を用意したくて、ミャンマーやベトナムに現地法人を設立しました。これによって、特定技能外国人や技能実習生が日本と母国、どちらでもキャリアを積むことができます。今後も彼らとともに高め合える関係を築きながら、世界に日本の技術を広めていくことが私の目標です。

株式会社菅原設備

(2022年3月24日取材)

掲載号

Visionista/VOL.012022|autumn

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