海外には日本の働き方を、気仙沼には世界から優秀な人材を
宮城県の株式会社菅原工業では、2014年から受入れを開始し、現在もインドネシア人を雇用しています。今回は、同社代表の菅原さんとインドネシア人のイッフサンさんの声をご紹介します。 (2024年1月17日取材)
企業プロフィール
所 在 地: | 宮城県気仙沼市赤岩迎前田132 |
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事業内容: | 道路整備や橋の構築/水道の整備/堤防の建設などの工事 |
従業員数: | 44名 (内:特定技能1名 技能実習4名 すべてインドネシア人) |
Website: | http://sugawarakogyo.co.jp |
初期導入: | 宿舎の確保 生活家電や生活備品 Wi-Fi環境 送迎車両 自転車 |
給与イメージ
- 特定技能(月額基本給)
約18万円〜
※社内基準一律 - 技能実習(月額基本給)
約17万円〜
受入企業 Interview
代表取締役
菅原 渉 氏
受入れを決めた理由は?
当社は2011年以降、震災復興で売上げも急激に上がっていました。人手が足りないほど忙しかったのですが、復興事業はいつまでも続くわけがなく、雇用を抱えても将来的には維持することが困難になることは目に見えていました。そこで、せっかくなので外国人を受け入れて育て、海外進出の足がかりにしようと考えました。
受け入れて良かった点は?
当初の目的だった海外進出が実現できたことです。インドネシアで道路工事の際に剥がされたアスファルトを再利用する「リサイクルアスファルト」を製造しているのですが、技能実習生だったインドネシア人が現地のプラントで働くなど、うまく連携することができています。
受入れ後の工夫や、気をつけていることは?
「外国人だから」と特別扱いせず、あえて日本人従業員と同じように接しています。もちろん現場への送迎や生活面のフォローはしますが、その他は日本人と変わりません。一緒に食事にもいきますし、地元のお祭りではともに太鼓を叩いた思い出もあります。彼らのすることもあまり縛りはせず、夜に外出禁止にすることもない。とにかく自由を重んじていました。
導入予定の企業へメッセージをください。
今は、日本企業が外国人材を選んでいますが、この先は逆になります。特にインドネシアは後10年もすれば日本のGDPを抜く勢いで、自国で稼げるようになります。そうなると、今度は日本を選んでもらうようにアピールしなければなりません。これからは海外に働き手を求める時代です。国籍を超えて従業員を大事にする、そんな企業が生き残るのだと思っています。
現場で働くみなさんの声
日本での仕事や生活、またこれからの目標について、同社に在籍する特定技能1号のイッフサンさんと世話係の藤田さんにお話を伺いました。
イッフサンさん
自由な生活がしたくて特定技能になりました
2023年に技能実習生から特定技能1号へと移行したイッフサンさん。その理由は、「日本人と同じような生活がしたかったんです。例えば、車の免許を取れるようになったり、寮ではなく自分でアパートを借りたり、自由に暮らしてみたかった」。帰国後は実業家になることを目指しているのだとか。「インドネシアでお菓子の屋台を運営するのが夢です」。今の仕事について伺うと、「職場が上下関係にうるさくなくて、毎日働くのが楽しいですね」と、上司や同僚と笑い合っていました。
藤田 春彦さん
日々の試行錯誤が活気へとつながっています
インドネシア人の受入れが始まった当初は、気仙沼の方言が伝わるか不安でした。特に危険な作業の時にとっさに出る注意喚起の言葉が理解できないと危ない。実際に、東北特有の「けろ」「だべ」という語尾に付く言葉に対して「それはどういう意味ですか?」と、質問がきました。なので、「語尾は無視していい。それ以外の言葉で判断して」と、一期生には説明したと思います。だけど、そんな風に試行錯誤してコミュニケーションを取っていくことが、会社の活気につながっていくんです。