in 利根沼田テクノアカデミー所在地:群馬県沼田市利根町日影南郷335-1

2023.02.01

#VOL.02 #教育・施設 ベトナムミャンマー群馬県
利根沼田テクノアカデミー  Photo1

 一般社団法人 利根沼田テクノアカデミーでは、廃校になった小学校を活用し、建設業の担い手確保を目的に人材育成を行っています。板金、瓦、大工、設備、左官とさまざまなコースを用意。各団体が連携し、専門工事業種の技能や知識、また安全管理を現場に出る前に身につけることができます。今回は技能実習生向けのコースを取材しました。

INTERVIEW

講師紹介

講師 渡邉 清勝 氏

講師の渡邉さんに、外国人に指導する際の工夫や
心掛けていることについて伺いました。

講師(設備)
渡邉 清勝

教え方はいたってシンプル
専門用語を使わず
「やってみせて、やらせてみる」

 利根沼田テクノアカデミーへ学びに来るほとんどの生徒が、建設業未経験者です。たとえ同じ日本人でも、専門用語や道具の名称はわかっていません。その点は外国人と同じなのです。外国人だからと特別扱いせずに、基本的な教え方は「やってみせて、やらせてみる」。言葉も「押す」「引く」「回す」と単語で説明していくうちに、徐々に意味を理解してくれます。

事故につながる行為には
大きな声で「危険」だと強く伝える

 来日したばかりの外国人を教える中で、事故につながる行動や間違いについては、強く伝えることが非常に重要だと思っています。なぜなら、言葉が通じないのに「気をつけてね」とやさしく言っても危険度が伝わらないだけでなく、反対に「自分はいいことをしているんだ」と、勘違いさせてしまうこともあります。悪いことは悪いと、しっかり明確に大きな声で表現してあげることが大切です。

訓練の場所でしっかりと経験させる
それこそが安全対策

 実際に会社で働き始めたら、やさしい先輩もいれば厳しい先輩もいます。また、ひとたび現場に出れば、他の業者の方とも、同じ環境で作業をすることにもなります。集団の中で仕事をし、生活するからこそ、想定される危険な状況や、注意の表現なども教えておきたい。それが私にできる安全対策です。

利根沼田テクノアカデミー  Photo2

Trainee`s VOICE

訓練生の声

訓練生 ハウさん
ベトナム

ハウさん
(ベトナム)

夢はベトナムで起業すること

 日本の建設の技術を勉強して、ベトナムで起業したいと思って来日しました。ベトナムでは建設会社に就職しても、研修を受ける機会はほとんどありません。日本の建設業はベトナムに比べて、安全面や教育面がしっかりしているとあらためて思いました。

世界でも技術力が高い日本で多くのことを学びたい!

 親戚が日本の建設会社で働いた経験があり、日本人がやさしくて親切であることは聞いていました。何より仕事が安定していて、多くの作業を任せてもらえるとも話していました。世界的に見ても日本の技術力が高いのは間違いありません。帰国までに多くのことを吸収したいです。

訓練生 ハウさん  Photo
訓練生 ゾウさん
ミャンマー

ゾウさん
(ミャンマー)

母国の家族の生活を支えたい

 来日のきっかけは、日本でたくさん稼いで、ミャンマーにいる家族の生計を少しでも援助したいと思ったからです。日本の技術力の高さはミャンマーでも有名で、例えば車やカメラなど、日本製の商品は人気があります。そんな日本で働けるのが楽しみです。

「日本の技術を世界へ広める」社長の夢に共感

 私が就職した受入企業は、ミャンマーにも建設会社を設立しています。面接で社長から「帰国したらミャンマーの会社で働いてほしい、一緒に日本の技術を世界へ広めよう」と誘われたのがとてもうれしかった。研修は大変と感じることもありますが、講師や先輩が励ましてくれるので最後までがんばります。

訓練生 ゾウさん  Photo

FACILITY

施設紹介

利根沼田テクノアカデミー内には、より実践に近い訓練を行える設備や、居住空間が整えられています。

施設紹介  ビス打ち ビス打ち

屋外実習場では、職人の基本であるビス打ちの精度を高める訓練を行う。

施設紹介  配管 配管

グラウンドには、外部配管・内部配管などを行える模擬住宅が建てられている。

施設紹介  歩行訓練 歩行訓練

高所で安全かつスピーディーに歩行するため、実際の鉄骨などを渡り訓練する。

施設紹介  体育館 体育館

体育館の中には建屋なども設置されており、雨天でも問題なく訓練が行える。

施設紹介  部屋 部屋

集団生活になるため、部屋には仕切りをおいて個室スペースを設けている。

施設紹介  食堂 食堂

かつての教室だったところを改装し、訓練生が利用できる食堂を設置。

2022年7月 取材 協力:株式会社菅原設備

掲載号

Visionista/VOL.022022|winter

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