株式会社nonaka
野仲 啓明 氏

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白紙の状態から育成し
長く働ける仲間にしたい

2026.07.31

#VOL.09 #受入事例 #埼玉県#PICK UP

代表取締役会長
野仲 啓明

2008年の受入れ開始以来、中国・ベトナム・インドネシアと多国籍からの採用を続けてきた野仲会長。「安い労働力」ではなく確実な戦力として迎え入れる姿勢を貫きながら、採用する国を変え続けることへの限界も感じてきました。先入観のない「まっさらな人材」を育て、長く働ける仲間にしたいと語ります。

先入観のないまっさらな人を育てたい

受入れで大変だったことは?

 外国人の受入れをきっかけに、日本人の職人たちの意識を変えることが一番の課題でした。現場には「仕事は見て盗め」という文化が根強く、丁寧に教えることを"無駄な時間"と感じる職人も少なくありません。言葉の壁がある外国人には、作業を止めてでも事細かく説明するよう、繰り返しお願いしてきました。そこの意識を変えてもらうほうが、正直大変でした。

それでも受入れを続ける理由は?

 「まっさらな人を育てたい」というのが、外国人を受け入れようと思った一番の理由です。現場経験の長い日本人の職人は、過去のやり方が無意識の基準になってしまうことがある。でも経験のない外国人なら、図面と違う点があれば素直に指摘できます。先入観なく、ゼロから吸収してくれる人に育ってほしいと思っています。

腰を据えて向き合い、関係を育てたい

多国籍で受け入れてきた経緯は?

 中国、ベトナム、インドネシアと、これまで採用する国を変えてきました。国が発展すれば賃金水準が上がり、良い人材が集まりにくくなる。それが主な理由です。ただ、そうなるたびに次の国へ移るやり方には、限界があると感じています。どこへ行っても同じ状況が繰り返されるだけです。

では、どのような対策を?

 今受け入れている国と腰を据えて向き合い、状況が変わっても一緒に対応策を考えていく。そうした方針に切り替えています。良い人材には国籍を問わず能力に見合った賃金を払い、しっかり残ってもらう。業界全体での合意は簡単ではありませんが、まずは自社でできることから変えていくつもりです。

将来的にはどのような姿を描いていますか?

 有能な人材には、家族とともに日本で暮らす選択肢もあってよいと思っています。単に労働力として来てもらうのではなく、日本に根を張って、ともに会社を支えてくれる仲間として迎えたいです。

姿勢を見れば、人がわかる

面接では、どんなところを見ていますか?

 技術・技能の習得スピードだけでは、その人の本質は測れません。作業が終わったあとにしっかり片付けができるか、自分のことが済んだらほかの人を手伝いに行けるか。そういった何気ない行動のほうが、むしろ大切だと感じています。試験の出来不出来より、取り組む姿勢や周りへの気配りに目が向いてしまいますね。

一緒に働いてみて、彼らの魅力は?

 きちんと説明さえすれば、ルールをしっかり守ってくれるのは、彼らの一つの特徴かもしれません。もし守れないことがあれば、それは説明が足りなかった自分たちの側の問題だと思うようにしています。文化の違いに驚くこともありますが、それも日本の文化や風習、仕事のやり方を教えていなかったこちらが悪い。丁寧に向き合い続けることが、信頼関係の土台になる。その積み重ねが、長く一緒に働ける関係につながっていくと信じています。

(2025年6月27日取材)

掲載号

Visionista/VOL.092026|summer

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